景気の良さに翻弄された適職探し


私が初めて就職した昭和50〜60年代は、就職希望者よりも採用企業の数が上回っていた時代でしたから、特別な高望みをしなければ、かなり希望に合った会社に就職できました。そして、適職探しをいていた人にとっても会社を選ぶことができた時代でしたから、仕事を見つけやすいので良い時代だったと言えたのでしょうが・・・

バブル崩壊以降は、就職希望者が採用企業数を大幅に上回るようになってしまい、就職率も当然大幅に下がりました。希望に合った会社に採用されるどころか、あまり希望しないような会社でさえ、採用されなくなってしまいました。あの頃は良かった、景気が良い頃は本当に良かったと多くの方が口々に話しています。

しかし、あの頃は就職できても、自分にその会社または仕事が合わない、仕事が面白くないと感じると、他に就職先が沢山あったので、転職を考える人が少なくありませんでした。実際、転職先も意外とスムーズに決まる時代でした。ハローワークに仕事を探しに行くより求人誌で仕事を探したものです。ハローワークではろくな仕事がないと思われていました。私自身も「とらば〜ゆ」という求人誌を毎週のように購入して仕事を物色したものでした。
今では、企業にとって無料で求人募集ができるハローワークが仕事探しの主流になっていますね。

ところで、その当時、会社や仕事が自分に合わない、つまらないと思えば次をすぐ探せる状況だったせいでしょうか、本当にその会社、その仕事が自分に合わないのかどうか深く考えることをせず、次の職場では絶対頑張って仕事で自分の力を発揮するぞ、と意気込むのです。しかし暫くすると、また、再就職した会社が合わない、つまらないと、また次を探すことになるのです。けっきょく、次の職がすぐ見つかるものですから、じっくり今の仕事のことをよく考えることをせず、次の仕事を探してしまった訳です。
そして、その会社が自分にとっていかに素晴らしいか、その仕事がいかに自分に合っているかを考える時間を持たなかったせいもあって、どこに就職しても何か違うと思ってしまい、次の職場を転々とする人生を送ってしまう人が少なくなかったのです。
でも、その会社や仕事がなぜ自分に合っていないかという事をよく考えれば、何が原因か分かったかもしれないのに就職活動が難しい時代ではなかったので、会社を替えればやる気になると思ってしまった人たちが少なくなかったのです。
私もその一人だったもかもしれません。でも、そのお蔭で客室清掃の仕事に出会えたのですから、30回以上の転職が実を結んでくれたと思うようにしています。

ですから、現在のほうが、自分に合った会社・仕事を見つけやすいと言えるのです。
転職するにも、そうたやすく次の職場が見つからない時代ですから、今の会社で踏ん張って努力していくうちに、いつしか今の仕事の遣り甲斐を見つけたり、やっぱりこれがやりたいと強く思えるものが日々働いていく中で出会えたり。毎日忙しく仕事をしながら、ゆっくり時間をかけてやりたい仕事を見つけるのが、結局、一番確かで早い方法なのかもしれません。

次々と働く場所があった時代より、なかなか就職が決まらない今の時代のほうが、自分を見つめ直す時間が充分にあり、やりたい仕事、就きたい職業をきちんと探し出せると言えそうです。

仕事が決まらない、やりたいことが見つからないと焦るより、じっくり自分と向き合って考える時間を充分にとって、本当にずっとやっていきたい仕事を見つけ出してほしいと思います。
仕事は、人生の中で占める割合が一番多いのですから、後悔のないようにじっくり考えましょう。