クリーニング店店員


もう、自分には接客業が合わないと分かっているにも関わらず、クリーニング店の店員の職に就こうと考えたのは、どうしても事務職が嫌だったからでした。事務職以外に自分で出来る仕事を見つけたかったためだと、あの頃を振り返ると思います。

クリーニング店の店員もビジネスホテル客室清掃と同様にけっこう求人が多いので、すぐに採用が決まりました。
やはりクリーニング店の店員も正社員としての雇用ではなく、パートやアルバイトがほとんどでした。
通常、午前の担当者と午後の担当者がいて、午前の担当者は、午後の担当者が来ると午前の仕事内容の引き継ぎをして帰っていくパターンが多いようです。午後の担当者は閉店後に売り上げを集計して一日の作業が終わりになります。それと、「通し」という雇われ方もあり、午前・午後と通しで働きます。この仕事は、お昼休憩ができず、お客さんのいない間を見計らって5分〜10分くらいで食事をするのです。ですから、休憩なしの扱いで11時間勤務でした。
私は、この「通し」を希望して、11時間勤務を覚悟しました。
慣れれば仕事自体は難しい事はなく、常に衣類に対して興味を持っていると仕事に役立つと先輩や上司から言われました。たとえば、その時その時で流行っている服の種類を知って、その服の洗濯タグを見ておくとか、こういう服は実はドライ扱いできないとか、水洗いだけとか・・・といった感じです。
あまり流行の服とか着る物に対して興味がなかったのですが、今後は興味を持つように心掛けなければならないと思いました。

11時間たちっぱなしの勤務は最初はきつかったのですが、そのうち慣れると思い、それほど気にしていませんでした。苦手な接客業も、事務的に処理すればそんなに問題ないようでした。物を売ったり、こちらからサービスを勧める仕事ではなく、クリーニングに出したい服を持ってくるお客さんから預かるのか基本ですから、強引に勧めることがなく問題ないと思いました。実際に間違った事を言わず、接客していれば、よほどのことがない限りやっていけると思いました。
最近では、クリーニング店でもレジがコンピュータ化されていて、パソコンが苦手な店員は悪戦苦闘していましたが、私は事務職上がりでしたから、難なくこなすことができましたが、逆にその事が恨みと買ってしまった部分が無きにしも非ずでした。でも、レジが苦手なさんも、そんな難しい作業ではないので、そのうち慣れるし、レジ打ちが主な仕事ではなく、あくまで接客業ですから、その点、レジの苦手な店員さんは、それを分かってクリーニング店に勤めようと来ているので、接客はお手のものでした。やわらかな応対で学ぶべきことが多かったです。

しかし、このクリーニング店の店員の仕事が自分に向いているかもしれないと感じながらも、この仕事を定年まで続けていけるかと考えたら、答えはノーでした。
せっかく色々教えていただいたのですが、やっぱり自分が納得して長く続けていける仕事だと、どうしても思えず、半年余りで辞めることにしました。