正社員で働く


ビジネスホテルの客室清掃という仕事は、清掃会社側にとって、配偶者(ご主人など)の扶養となっている方の仕事だと考えられているのが現実です。

ビジネスホテルではチェックアウトからチェックインまでの間の仕事で、つまり平均的に10時から3時までの5時間、休憩時間30分を差し引いて4時間半が勤務時間です。
時給が950円(東京都の平均)とすれば、1日4275円、1ヶ月20日間の勤務として月に8万5千5百円になり、1年間12ヶ月働けば102万6千円。
配偶者の社会保険に扶養家族として加入できるのが年収130万円以下です。そして、所得税の年末調整で扶養控除されるのが、年収103万円以下です。
ですから、配偶者の勤務先の社会保険に加入して、扶養控除も受けたいという方にはぴったりな仕事なんですね。

そういった意味では、この仕事の魅力を感じ、できれば正社員で働きたいと思って客室清掃の仕事を始めた人にはあまり条件が好ましくないのが現実なんです。

しかし、最近では、清掃会社側の考え方が少し変わりつつあるようです。
それは、客室清掃が慣れない人にとって結構きつい仕事と思われているため、入っては辞めていく人があまりに多すぎて、人材が安定しないという現実を打開するため、正社員として雇用して従業員を安定させようという傾向のようです。

シティホテルでは採用時からすぐに正社員として雇用して、客室清掃員としてオールマイティーな人材を育てようとしている清掃会社の求人も目についてきました。

しかし、ビジネスホテルではすぐに正社員として雇用する清掃会社はほとんど無いようです。メイドからインスペクター、インスペクターからサブチーフ、サブチーフからチーフ、チーフから現場責任者に這い上がってやっと正社員になれるか、またはなれずにパートのままか・・・といった具合です。
チーフや現場責任者になると、客室の清掃自体はなくなり、その他の仕事が増えるので、客室清掃自体が好きな人はパートのままずっと続けるという人も以前の私の職場にいました。

先日、久しぶりにハローワークインターネットサービスをのぞいて見ましたが、いきなりビジネスホテル現場責任者の求人募集を見かけましたが、客室清掃経験3年以上の方が応募資格者となっていました。
その募集も正社員ではなく、日給月給という準社員のような扱いでした。現場責任者になりたいという方は、今現在客室清掃をなさっているビジネスホテルで経験を積んで、そこで現場責任者になるよう努力するか、他のホテル(清掃会社)の現場責任者募集の求人を探し応募することが出来ます。

ビジネスホテルで正社員として客室清掃をやっていくという事は、かなりかなりの狭き門なのかもしれません。そういった意味では、やはり配偶者の扶養範囲でパートに出たいという主婦の方のための仕事なのでしょうか?

これから7年後にオリンピックも開催されますし、外国人観光客もどんどん増えています。東京だけでなく地方でもホテルの建設ラッシュです。客室清掃はそういった現在に不可欠な仕事です。誰でもできる仕事だと世間では思われている節もありますが、永く続けるにはそれ相当の判断力や体力が必要な仕事です。向き不向きもあります。是非、安く雇用しようと考えるのではなく、正社員としての雇用も考えていただきたいものです。
安定して働ければ、人材が安定して、雇用する側も雇用される側も両方がハッピーなのではないかと思うのです。